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村島 善也 院長
ムラシマ ヨシヤ
YOSHIYA MURASHIMA |
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メンタルクリニック葛西 |
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出身地:大阪府 |
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出身大学:東京大学医学部医学科 |
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好きなこと:人文科学全般 |
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好きな観光地:バチカン市国 |
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好きな言葉・座右の銘:「赦しと救済」 |
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■「人間とは何か」を追って──私が精神科医になった理由 |
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私はもともと医師を目指していたわけではなく、東京大学の理科二類に入学した当初は、研究者になるつもりでいました。ところが教養学部で哲学や文化人類学に触れる中で、「人間とは何か」という問いに強く惹かれるようになりました。実験や数式だけでは人間の本質にたどり着けない。そう感じた私は、人と関わる現場に身を置きたいと考え、医学部へ進む決意をしました。
医学部を卒業後は、臨床と研究の両立を目指し、東京都精神医学総合研究所に進みました。精神疾患の仕組みを探る基礎研究に従事しながら、都立松沢病院での診療にも携わり、次第に「人と向き合う」ことのやりがいを実感するようになったのです。そして気づけば、精神科医としての道を歩んでいました。 |
■病気を診ているのではなく、患者さんを診ている |
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基本方針としては「すべてを診る」ということ。紹介状がなくても、予約がなくても、すべての方の話を伺います。精神科の受診はハードルが高いと感じる人が多いからこそ、最初の扉は広く開けておきたいのです。
15歳から90歳以上まで、当院には実にさまざまな方が来院されます。軽度の不調から、長年うつ状態が続いている方、あるいは入院が必要なケースまで、状況はさまざまですが、「今つらい」と感じているその気持ちをまずは受け止め、そのうえで、どのような対応が最善かを一緒に考えていきます。
加えて当院では、一般内科に類するお悩みも承っています。専門性を否定しているわけではありませんし、必要とあれば専門の医療機関をご紹介していますが、私は内科および外科、救急などの経験もありますので、一定の範囲で拝見しています。私たちは病気を診ているわけではなく、患者さんを診ているわけですから。 |
■常に自分の診断を見直す姿勢が大切 |
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精神科では、「診断」が極めて重要です。たとえば双極性障害が、うつ病や統合失調症と誤診されているケースは決して珍しくありません。誤った診断のまま治療が進められ、薬が効かずに何年も苦しんでいる方が、診断を見直すことで大きく改善することもあるのです。
私が診療で大切にしているのは、「本当にこの診断でいいのか?」と常に問い直す姿勢です。医療に絶対の正解はありませんし、人は間違えてしまうものなのです。だからこそ、患者さんの訴えや表情、日常生活の変化など、ささいな兆候を丁寧に拾い上げながら、診断を組み立てていく。そうした慎重さが、患者さんを救うことにつながっていくのです。 |
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■「相性を選べる」診療体制を整える |
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全員を1人で診るのは限界があります。ゆえに優秀な医師たちとチームで診療を行い、少しでも多くの人に適切な医療を届けられるようにしています。また精神科では、医師と患者さんとの相性が治療経過に大きく関わります。だからこそ、当院では複数の医師が在籍し、患者さんが自分に合った医師を選べる仕組みを整えています。診療を始める前にそれぞれの医師の考え方や専門性を公開し、納得したうえで診療を受けていただけるようにしています。
また、院内では各医師の診療スタイルに院長である私が干渉することはありません。もちろん情報を共有することはしていますが、それぞれの医師が自分のやり方で責任を持って診ることが、結果的に患者さんにとって最善になると考えています。 |
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■これから受診される患者さんへ |
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精神的なつらさは目に見えにくく、自分でもうまく説明できないことがあります。「こんなことで受診していいのだろうか」と戸惑う方も少なくありません。でも、そう感じている時点で、何かしら助けが必要なのだと思います。
診断がつかなくても、薬がいらなくても構いません。ただ話しに来てください。誰かに気持ちを受け止めてもらうことで、心が少し軽くなることもあります。私たちは、医療というかたちで、あなたの味方でありたいと思っています。どうか一人で抱え込まず、まずは扉を開けてみてください。
※上記記事は2025年5月に取材したものです。時間の経過による変化があることをご了承ください。 |
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