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田村矯正歯科

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田村 元 院長
インタビュー
田村 元 院長 タムラ ハジメ
HAJIME TAMURA
田村矯正歯科
出身地:東京都
趣味:読書、スキューバダイビング
好きな本:哲学・経済・社会科学
好きな映画:マトリックス
好きな場所:海・バルセロナ
■職業として父の仕事を継ぎ、そこから自分の道を進む
父が歯科医師でしたから、私がその道に進むのは、言ってみれば予定された道だったのです。父は江東区の住吉で開業していまして、本当であればそちらで三代目を継ぐはずだったのですが、私が矯正の道に進んだことで、父の夢はかなわないことになりました。
そうまでして矯正の道を選んだ1つの要因は、母に起きた事象と関係があります。私が歯学部に入りたての頃、母はあまり身体の丈夫な人ではなく、1つの病気が治らぬまま、次の病気に罹ってしまうという有様でした。その母が顎関節症になり、治療を開始したところ、それまで抱えていた複数の病気も同時に治ってしまったのです。当時はまだ専門的な医学知識はなかったのですが、直感で「これはなにかある」と感じ、咬み合わせを治す仕事、矯正を専門に選ぶことにしました。
「選択」というものは、通常、迷うものですよね。私自身も普段はそうなのですが、矯正を選ぶことについては、何の迷いもありませんでした。人知を越えたものに引っ張られたという感じでしょうか。いや、もう1つありましたね。家内と結婚する時は、「私と結婚しくれる人はそうそういないだろうから…」ということで、即断したのでした。人生で迷わなかったのは、その2つだけですね(笑)。
『田村矯正歯科』は、1993年に開院いたしました。「歯科医院を継いで欲しい」という父の唯一の願いを私はかなえることができませんでした。罪滅ぼしではありませんが、父に何かあった時のことを考え、父の歯科医院からほど近い場所での開業を考えたのです。父には何も言っていませんが、ね。

田村 元 院長 田村 元 院長

■私たち日本人に合わせて作られた「フルパッシブ矯正」
フルパッシブ矯正は従来の矯正装置とは異なり、迅速な歯の移動を実現するとともに、いわゆる“矯正痛”が従来の装置と比較して極めて少ないことが特徴です。加えて、第二世代にあたる「T21」は、口腔内の違和感が第一世代「クリアスナップ」の装置に比べて劇的に改善されました。
フルパッシブ矯正の装置やシステムは、私が自ら考案して開発したものです。料理屋さんをたとえにしましょう。調理と盛りつけはもちろん自分でおこなうとしても、材料は通常、買ってくるしかありませんよね。しかし、究極にこだわれば、自分のところで野菜を作ったり、牛も牧場を持って育てるようなシェフもいます。私の場合も、それと同じ感覚なのです。
欧米人と私たちとでは、あごや歯の解剖学的な条件は大きく異なります。であれば、日本人の骨格に合わせた装置があってしかるべきでしょう。フルパッシブ矯正は、アジア各国でさかんに導入され始めています。彼らとて、欧米のそれよりも日本人に合わせた装置が合うのは道理ですから。将来的には、アジアの矯正装置を日本がリードしていくようになると予測しています。

■矯正治療の本来の意味
田村 元 院長そもそも矯正治療自体が、予防的な意味合いを持って構築されているものです。普段は意識せずおこなっていることですから、皆さんお気づきになっていないかもしれませんが、私たちは歯みがきだけで汚れを落としているわけではないのです。自浄作用といいますが、舌が動き、唇が動くことで唾液が還流し、それによってお口の中の汚れの大部分は落ちています。つまり、こうして私が話している間にずいぶんとお口はきれいになっているのです。
野生動物のお口の中は非常にきれいです。彼らは歯ブラシを持てないわけですけれど、繊維性のものを摂り、唾液がたくさん出ることで自然とお口の中がきれいになっているわけです。ライオンが獲物を襲う前に口から唾液をたらたらと流している映像を目にされたことはあるかと思います。あれも食事をする前に、唾液を循環させる準備運動なのです。
歯列が真っすぐになるだけで、汚れの停滞はなくなります。今から100年ほど前になりますが、生物として不自然な生活を人間が続けることにより、お口の機能がやがて退化していくことを予見された方がおられました。実際、現代人は顎骨が弱くなり、歯並びが悪くなるなど、急速に退化が始まっています。矯正治療とは、進化によって失われた、人間本来の機能を回復してくれるものなのです。

■「避けたい生活習慣」をアドバイス
矯正治療は、理想的なお口の状態に近づけることを意図しています。しかし、それだけでは充分とは言えず、それを補うものとして、当院では生活習慣を改善することをおすすめしています。
開院して間もない頃のことですが、双子のお子さんが治療に来られたことがありました。彼らは同じものを食べ、同じ生活をしているにも関わらず、あごの位置は対照的にずれていました。生活の細部を聞き続けてわかったのが、2人はテレビを見る位置が異なり、それがそのまま“ずれ”になっていたのです。
テレビだけではありません。現代人は寝相もおかしくなっています。足を組んだり、頬杖をつくといった動作もそうですね。さらには、スマホとパソコンが脅威になってきています。整形の分野でスマホネックという言葉が生まれたように、下を向いてスマホをながめている体勢は、頸椎に30キロ近い負荷が掛かることがわかっています。
これからの子ども達を守るためにも、生活習慣を見直すことをお考えいただければと思います。

■これから受診される患者さんへ
矯正のベストのタイミングはいつか、というご質問をよくいただくのですが、これは非常に難しい質問です。と言いますのも、出っ歯を治すのか、受け口を治すのか、それともデコボコを治すのか、それぞれでやり方がまったく違うものですから、単純には決められないところがあるのです。
1つの方向性としておすすめしているのは、信頼できるかかりつけの歯医者さんを作ること。あなたの歯の特徴を知り、しっかりとした知識のある先生であれば、矯正の適切なタイミングを教えてもらえるでしょう。お口の健康のためにも、そうしたかかりつけの歯医者さんを持たれることをおすすめします。
なお、大変恐縮ですが、当院では現在初診相談をお受けになる場合、当院の患者様の紹介、もしくは連携のある歯科医院からの紹介のみとさせていただいております。

※上記記事は2017年4月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。


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